2025/08/27 08:26

お宿の中で一番制作に時間がかかったBBQスペース。
床はウッドデッキでなかなか良い雰囲気だ。

BBQは炭を使っていた。

この炭がウッドデッキとの相性が悪い。
火の粉が飛んで小さな焦げが出来るのは覚悟していたが、たまに直径30cmくらいの焦跡がある時があった。
お客様に聞いてみると間違って火起こし機をデッキの上で使ってしまったり、消し炭を作ろうとしてデッキの上にバケツを置いて
その中にまだ赤い炭を入れてしまって気がついたら焦げていた。などなど

その度にデッキを張り替えたりしていたが安全面から考えてもちょっと危ないよね。
使用説明はチェックインのタイミングでお伝えしてるけどお客様の中にはお酒も飲んでいるだろうし間違える人もいる。

炭やめるか。

BBQガスグリルを検索してみる。
蓋が開閉式になっていて温度計も付いている。
チキンを1羽丸ごととか分厚いステーキも焼けるね。
(ちなみに私は豚バラの薄い肉しか焼いた事がないので蓋を使った事がないけどね)

うん!かっこいい!!

なんだか海外のBBQみたいじゃん


早速購入した。

あれっ?
ガスってどうするんだっけ??

購入したサイトで調べてみると『お近くのガス屋さんに相談して下さい』との事だった。
宿で契約しているプロパンガス屋さんに電話してみると『BBQ用のプロパンガスの販売や充填はしておりません』と言われた。
ネットでBBQ用のプロパンガスを扱っている所を探すが全然ない。
やっと1件見つかったけど片道60分かかる場所だった。

ガスがなくなったら充填してもらう為に毎回行くのはちょっと遠いな。。

近隣で宿をやっている方に相談したら『うちで使っているガス屋さんを教えますよ。ただ新規のお客さんはもう取らないって言ってたんだよね。』

目の前にあるBBQグリルはガスが付いていないので、ただの黒い鉄の塊だ。
このままガスに繋げなければ使い道がない。

自宅に持ち帰って網の所にモニターとキーボードを置いてパソコンデスクにでもしようかな。


ちゃんとガスの手配が終わってから買えばよかった。
毎回、思いつきで行動して後で痛い目に遭う。
反省は今夜、酒を飲みながらするとしてとりあえず前進しよう。

教えて頂いたガス屋さんに電話をかける。
『私、近くで民泊をしているものなんですがBBQ用のプロパンガスの購入と充填をお願い出来ないでしょうか?』

『新規の契約は断ってるのよ』

やばい。ここで断られてしまうとパソコンデスク決定だ。


『一度お店に伺いますので直接、話を聞いて頂けないでしょうか?』

『でも新規の方は。。。』

『お願いします!会っていただけるだけでいいんです。それでダメなら諦めます!!』

『そこまで言うのなら会うだけならいいですよ』

なんとかアポイントは取れた。
もう直接会って熱意を伝えるしかない。
当日、緊張しながらガス屋さんを訪れる。
私は大事な話合いやお礼の挨拶をする時は必ず『角八』の和菓子を持参する。
会って話をすればなんとかなるのではと考えていたが店長さんは難しい顔をしている。
なかなか手土産も受け取って頂けない。

BBQ用のプロパンガスの充填の流れはこんな感じみたいだ。

お客さんはガスが無くなったら店にボンベを持ち込む
店は週に2回来るガス屋に空のガスボンベを渡す
充填の終わったガスボンベが店に戻ってくる
お客さんが取りに来る

店長は充填が終わったガスボンベをお客さんがなかなか取りに来なくて困っているので
もう新規の契約を断っているという事だった。

『私はすぐに取りにきますのでお願い出来ないでしょうか?』

店長さんの表情は硬いまま。

『なんとかお願いします!!』

頭を下げウミカグ必死のお願い。

『しょーがないな』

根負けした店長さんが苦笑いしていた。

『ありがとうございます!!!』

なんとか施設にBBQ用ガスグリルを導入する事が出来ました。